<詐欺>ゲームソフトにウイルス埋め込み 警視庁が初摘発(毎日新聞)

 ファイル共有ソフト「Share(シェア)」に個人情報を流出させるコンピューターウイルスを仕掛け、被害者に現金を支払えば情報を削除すると持ち掛けて現金をだまし取ったとして、警視庁ハイテク犯罪対策総合センターは26日、インターネット広告会社「ロマンシング」(埼玉県志木市)社長の男(20)=事件当時19歳=と東京都北区、会社員、岡顕三容疑者(27)を詐欺容疑で逮捕したと発表した。ウイルスを使った詐欺事件の摘発は全国初。

 警視庁によると、社長は容疑を認め「会社を大きくするため金がほしかった」と供述。岡容疑者はウイルス作成を認めているが、社長との共謀についてはあいまいな供述をしているという。ウイルス作成者の摘発は、ファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」でウイルスを不特定多数に配布したとして、京都府警が08年に大学院生を著作権法違反容疑で逮捕して以来2例目。

 逮捕容疑は、09年11月26〜30日、アダルトゲームソフトを装ったファイルに「kenzero」と呼ばれるウイルスを埋め込み、シェアで公開。ソフトをダウンロードした都内の男性会社員(28)ら4人から計約2万3000円をだまし取ったとしている。

 ソフトを使用しようとした利用者がファイルをクリックすると、氏名や住所、メールアドレスなどの個人情報を入力させる画面が現れ、登録すると情報がネット掲示板に勝手に公開されるように仕組んでいた。利用者が情報削除を要請すると、ロ社は「ダウンロードは著作権法違反にあたる。和解金として5800円が必要」とメールを送り付けて口座を指定し、現金を振り込ませていた。

 ウイルス作成は社長が岡容疑者に依頼し、報酬として現金を送金していた。社長が契約していたレンタルサーバーには1456件の個人情報が保管されており、2人が他の利用者からも現金をだまし取った疑いがあるとみて追及する。【町田徳丈】

 ◇後ろめたさ悪用 新たな振り込め

 違法ファイルをダウンロードした後ろめたさにつけ込んで現金をだまし取る今回の手口は、従来のアダルトサイト利用料名目の架空請求詐欺を発展させた新たな振り込め詐欺と位置づけられる。

 「kenzero」ウイルスは情報を勝手に公開する「暴露系ウイルス」。インターネットセキュリティー会社「ネットエージェント」によると、「kenzero」の亜種も確認され、今年3月には5510人の個人情報がネット上に流出する被害があった。このうち661人が流出情報削除と引き換えに、最大で計約380万円を支払わされた可能性があるという。

 事件の背景には、映画や音楽、ゲームなど本来有料で購入すべきソフトがファイル共有ソフトに氾濫(はんらん)し、違法ダウンロードを可能にしている現状がある。今年1月に改正著作権法が施行され、罰則はないものの、違法にアップロード(共有)されたファイルをダウンロードする行為が違法となったことも、被害者の後ろめたさを強めたとみられる。

 捜査関係者は「従来の事件はウイルス作成者の自己顕示が目的だったが、今回は詐欺の道具に利用したとみられ、この傾向は強まるのではないか」と指摘している。

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